設立趣意書

試行的大学評価が始まって以来10年が経過し、機関別認証評価も第一サイクルが終わりに近づいております。この間、各高等教育機関では、評価や質保証に関係する部署(評価室、FDセンター、IRなど)が設立され、活動が精力的に行われています。今や評価文化を醸成・展開する時期から、評価文化の定着を図る時代に突入したといえます。
このような状況の中で、これまでにも増して高等教育機関の質保証が重要な問題として注目されています。 国際的に観れば、知識基盤社会のグローバル化が急速に進み、わが国の大学教育の国際通用性が課題となっています。一方、国内的には少子化の進行にともなう大学全入時代が到来しています。このような環境の下で、高等教育機関には社会に対する説明責任が求められ、自らの質を保証する必要性が増しています。
第三者評価制度を含めた種々の評価制度は、現在は実施中ではありますが模索段階にあるといっても過言ではなく、今後の発展のために様々な側面からの研究や検証が求められています。各大学における内部質保証システムの構築は重要課題ですし、学内的に行われている教員評価や能力開発のためのプログラムや体制などについても、実施後の効果測定をはじめとする研究的な側面が脆弱であると言わざるを得ません。すなわち、外的および内的な質保証に関して、特に学問領域として確立していないのが現状であるといえます。高等教育の発展のためには、「質保証」が学問分野として確立し、有効な研究が行われ、その結果が共有されることが不可欠です。さらに、研究成果の社会への積極的な発信が重要です。このような環境の整備を目的として、高等教育質保証学会(Japanese Association for Quality Assurance in Higher Education)の設立を提案します。

発起人
平野 眞一
(独立行政法人 大学評価・学位授与機構長)
納谷 廣美
(財団法人 大学基準協会会長)
佐藤 登志郎
(財団法人 日本高等教育評価機構理事長)
関口 修
(財団法人 短期大学基準協会理事長)
林 勇二郎
(独立行政法人 国立高等専門学校機構理事長)

 

 

主な方針・目的

高等教育の質保証研究の社会への公開

高等教育の質保証に関する研究発表の場の提供

高等教育の質保証の一研究領域としての確立

高等教育の質保証に関しての行政への提言

高等教育の質保証に関する研究者の育成

高等教育の質保証に関する技術者・業務者の育成

高等教育の質保証に関わる教職員ネットワークの構築

海外諸国の質保証研究学会との連携

 

 

対象者

高等教育の質保証に関する研究者

高等教育機関(大学、短期大学、高等専門学校)の質保証に関係する部署
  (評価室、FDセンター、IR室など)に所属する教員および職員

高等教育の質保証に関心のある個人あるいは団体